2025年5月に成立した労働安全衛生法の改正により、これまで従業員50人以上の事業場に限られていたストレスチェックの実施義務が、50人未満の事業場にも拡大されます。そして2026年6月、施行日が2028年4月1日に確定しました。小さな会社にとっては「ついにうちも対象になる」という話です。この記事では、慌てずに、しかし着実に準備するためのポイントを整理します。

何が、いつから変わるのか

変わるのはシンプルで、すべての事業場でストレスチェック(年1回)が義務になります。施行は2028年4月1日。初回のチェックは施行後1年以内、つまり2029年3月31日までに実施を完了させる必要があります。

いま50人未満の会社にとっては「努力義務」だったものが本義務になる、という位置づけです。国も準備期間を意識しており、厚生労働省からは小規模事業場向けの実施マニュアルがすでに公表されています(2026年2月)。

まだ2年ある。でも「直前」は避けたい

施行まで2年近くあるので、今日から慌てて動く必要はありません。ただ、直前対応には落とし穴があります。ストレスチェックには実施者(医師・保健師等)の関与が必要で、施行間際は同じタイミングで動き出す会社が集中し、外部サービスや産業保健の窓口が混み合うことが予想されます。

おすすめは、施行の1年前——2027年のうちに一度「試運転」しておくことです。義務化前に任意で1回実施してみれば、体制の不備も従業員の反応も、余裕のあるうちに分かります。

準備しておきたい3つのこと

第一に、実施体制です。誰が実施者になるのか。自社に産業医がいない小規模事業場では、地域産業保健センターの活用や外部サービスへの委託が現実的な選択肢になります。

第二に、結果の取り扱いルールです。ストレスチェックの個人結果は、本人の同意なく会社が見ることはできません。高ストレス者への医師面接の流れ、不利益な取り扱いの禁止——このあたりの理解が曖昧なまま実施すると、従業員の信頼を損ねます。制度の趣旨は「従業員を守ること」であって、選別ではありません。

第三に、集団分析を活かす発想です。個人の結果は見られませんが、部署ごとの傾向(集団分析)は職場改善に使えます。「実施して終わり」ではなく、働きやすさの改善につなげてこそ、手間をかける意味があります。

どうせやるなら、健康経営とセットで

義務だから仕方なくやる——それも一つの向き合い方ですが、少しもったいない。ストレスチェックは健康経営優良法人の取り組み項目とも重なるため、義務対応がそのまま認定への一歩になります。健康経営のはじめの一歩と合わせて設計すれば、ひとつの手間でふたつの成果が得られます。

おわりに

法改正は、見方を変えれば「小さな会社でも従業員の心の健康に目を向けよう」という社会からのメッセージです。準備期間は十分にあります。2028年の春に慌てないよう、今年は情報収集と体制の素描から始めてみてください。

私たちの健康経営ポータルは、厚労省準拠のストレスチェック(57項目・簡易23項目)と集団分析に対応しています。実施体制のご相談も含めて、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

本稿の内容は執筆時点の公開情報に基づきます。施行に向けた詳細は、厚生労働省の通知・マニュアルをご確認ください。

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